このページでわかること
手数料改定の概要と金額
2026年10月1日から在留手続きの手数料が大幅に引き上げられ、在留資格変更・在留期間更新は最大75,000円、永住許可申請は200,000円となります。また、在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請では、許可される在留期間に応じた段階制へ移行します。
企業への影響とコスト増の試算
企業が申請手数料を負担している場合、外国人従業員を多く雇用する企業ほど、手数料改定による総負担額が大きくなります。たとえば、在留期間1年の従業員10名全員が毎年、窓口で在留期間更新許可申請を行い、その手数料を企業が全額負担する場合、年間の負担額は現行の60,000円から330,000円となり、5.5倍に増加します。
人事担当者が今すぐ取るべき対応
在留期限の一覧化や前倒し申請の検討、申請可能な時期を踏まえた申請スケジュールの見直し、手数料の負担ルールの整理、外国人従業員への多言語での周知などが必要です。
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2026年10月1日から、外国人の在留手続きにかかる手数料が大幅に引き上げられます。外国人労働者数は令和7年10月末時点で約257万人となり、過去最多を更新しています。また、外国人雇用を行う企業の数も年々増加している状況です。
こうした中、企業においても手数料の負担ルールや申請スケジュールをあらためて確認し、必要に応じて見直すことが重要です。対応が不十分な場合、想定外のコスト負担や従業員との認識のずれにつながる可能性があります。
本記事では、改定後の手数料一覧をはじめ、企業への影響や、人事担当者が施行に向けて検討すべき対応について詳しく解説します。
2026年10月1日から在留手続きの手数料が変更される

2026年5月29日に改正入管法が国会で可決・成立し、在留資格の変更や在留期間の更新にかかる手数料は、2026年10月1日から大幅に引き上げられます。
現行の手数料額は2025年4月1日に改定されたばかりですが、今回の改正では、さらに大幅な見直しが行われます。在留期間に応じて手数料が異なる段階制が導入され、在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請の手数料は最大75,000円に引き上げられます。
その背景には、2025年末時点の在留外国人数が制度創設当時の約5.2倍にあたる約413万人まで増加していることや、外国人の受け入れ環境を整備するための財源を確保する必要性などがあります。
人事担当者が特に注意しておきたいのが、新旧手数料の適用基準です。2026年9月30日までに申請していれば、許可が10月1日以降となった場合でも、現行の手数料が適用されます。
そのため、人事担当者は自社の外国人従業員の在留期限を早めに把握し、申請可能な時期を確認したうえで、余裕を持って申請スケジュールを管理することが重要です。
手数料の引き上げ幅が大きいため、企業が手数料を負担している場合は、コスト管理にも影響を及ぼす可能性があります。あらかじめ負担ルールや対象者を確認し、必要な準備を進めることが重要です。
2026年10月1日以降の在留手続きの手数料一覧
2026年10月1日以降の手数料は、手続きの種類や在留期間、申請方法(窓口・オンライン)によって異なります。人事担当者は、自社の外国人従業員に必要となる手続きや適用される手数料を事前に確認しておくことが重要です。
以下の表では、2026年10月1日以降の手数料をまとめています。
在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請
なお、オンライン申請の場合、手数料はコンビニ決済又は銀行決済による納付のみとなり、収入印紙による納付はできません。また、上記手数料のほかに、別途決済手数料が必要となります。詳しくは出入国在留管理庁ホームページをご確認ください。
永住許可申請
在留資格変更許可申請の手数料
在留資格変更許可申請の手数料は、改定後、許可される在留期間に応じて段階的に設定され、窓口申請とオンライン申請でも金額が異なります。
オンライン申請の手数料は、許可される在留期間によっては窓口申請より低く設定されており、その差額は最大10,000円です。オンライン申請を利用できる場合は、手続きにかかるコストを抑える選択肢のひとつとなります。
在留期間更新許可申請の手数料
在留期間更新許可申請の手数料も、在留資格変更許可申請と同様の体系で改定されます。窓口申請では、現行の一律6,000円から、更新後の在留期間に応じた段階制へ移行することが大きな変更点です。
特定技能1号の外国人を雇用している企業では、特に注意が必要です。特定技能1号では、認められた在留期間を超えて引き続き在留する場合、在留期間更新許可を受ける必要があります。
たとえば、更新後の在留期間が1年の場合、1回の更新につき窓口申請では33,000円の手数料がかかります。
企業が手数料を負担する場合、更新回数や対象となる従業員数によっては負担額が増える可能性があるため、あらかじめ必要な費用を見積もり、予算に反映しておくことが重要です。
永住許可申請の手数料
永住許可申請の手数料は、改定前の10,000円から200,000円へと大幅に引き上げられます。
なお、永住許可申請の手数料は、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請における「5年以上」の手数料と比べても、約3倍の水準です。
一方、生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度の生活困窮の状態にあり、かつ人道上の配慮が必要と認められる場合は、手数料の減額または免除の対象となる可能性があります。減額措置の対象となる可能性がある場合は、適用要件や申請方法を事前に確認しておくことが重要です。
在留手続きの手数料変更が企業に与える影響
外国人従業員を雇用する企業の人事担当者にとって、今回の手数料変更は、在留手続きや雇用管理にかかるコストを見直すきっかけとなります。以下では、企業への影響として特に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
外国人従業員の受け入れコストが増加する
2026年10月1日以降、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の手数料は、窓口申請の場合、現行の6,000円から最大75,000円へと大幅に引き上げられます。
企業が手数料を負担している場合は、在留期間や申請方法によって1件あたりのコストが従来より増加するため、外国人雇用に関する予算を見直す必要があるでしょう。
令和7年10月末時点における国内の外国人労働者数は約257万人に達しており、外国人を雇用する事業所数も371,215所と、過去最多を更新しています。そのため、手数料引き上げの影響は、全国の幅広い企業におよぶ可能性があります。
さらに、在留手続きの手数料以外にも、行政書士に手続きを依頼する場合は報酬が別途発生するため、手続き1件あたりの総コストがさらに増える可能性があります。手数料だけでなく、関連費用も含めて、必要な予算を見積もることが重要です。
出典:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
更新対象者が多い企業ほど手数料負担額が大きくなる
企業が在留期間更新許可申請の手数料を負担する場合、更新対象者が多いほど、企業全体の負担額も大きくなる傾向があります。
たとえば、10名全員について更新後に1年の在留期間が許可され、企業が窓口申請の手数料を全額負担すると仮定した場合、改定後の負担額は合計330,000円(33,000円×10名)となります。現行の60,000円(6,000円×10名)と比べると、負担額は5.5倍です。
また、特定技能1号の外国人についても、認められた在留期間を超えて引き続き雇用する場合には、在留期間更新許可申請が必要となります。そのため、雇用期間中に複数回の更新が必要となる場合は、その都度手数料が発生します。
企業が手数料を負担する場合、対象となる従業員数や更新回数が多いほど、累積するコストも大きくなる可能性があります。製造業や宿泊・飲食サービス業など、外国人従業員を多く雇用する企業では、更新対象者数によって手数料改定の影響が大きくなる可能性があります。
手数料改定の内容を正確に把握し、対象者数や更新時期を踏まえて、あらかじめコストを試算しておくことが重要です。
在留手続きの手数料変更に伴い企業が取るべき対応

手数料改定の施行に向けて、人事担当者は必要な準備を計画的に進めることが重要です。以下では、企業が施行前に検討・準備しておきたい3つの対応について解説します。
在留期間の更新予定者を早めに把握する
手数料の引き上げ前に申請できる対象者を把握するため、更新予定の従業員を早めに確認することが重要です。
在留期間が6ヶ月以上の場合、原則として在留期間の満了日の約3ヶ月前から在留期間更新許可申請が可能です。2026年9月30日までに申請可能な従業員については、個々の在留期限を確認し、制度上認められた申請期間内で早めに手続きを進めることを検討すると良いでしょう。
まず取り組みたいのが、自社に雇用している外国人従業員全員の在留期限の一覧化です。2026年10月以降に在留期限を迎える従業員について、改定前に申請可能な時期に入っているかを個別に確認し、可能な場合は申請時期を検討することで、現行の手数料が適用される可能性があります。
在留期限の情報を整理する際には、外国人雇用状況の届出記録など既存の管理情報を確認したうえで、在留カード等により最新の在留期限を確認することが重要です。事業主には、外国人を雇い入れた場合や離職した場合に、外国人雇用状況をハローワークへ届け出ることが義務付けられています。
雇用保険の被保険者については、雇用保険被保険者資格取得届・資格喪失届に外国人雇用状況に関する情報を記載するため、これらの記録も確認に活用できます。ただし、更新後の在留期限については、在留カード等で最新の情報を確認することが重要です。
手数料負担に関する社内ルールを確認する
在留手続きの手数料について負担ルールを明文化していない企業は、就業規則や雇用契約書、社内規程などへの記載を検討し、負担者や対象となる手続きを明確にしておくことが重要です。
就業規則に従業員が負担する費用などに関する定めがある場合は、今回の手数料改定を踏まえ、在留手続きの手数料に関する取扱いとの整合性を確認しておくと良いでしょう。
就業規則を変更する場合は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、ない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、意見書を添付して所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。
手数料の負担ルールがあいまいなまま施行日を迎えると、費用負担をめぐって従業員との間に認識の相違が生じる可能性があります。こうした事態を防ぐため、施行日前に社内の負担方針を整理し、必要に応じて就業規則や雇用契約書、社内規程などに反映しておくことが重要です。
外国人従業員に改定内容を周知する
就業規則を変更した場合は、変更後の内容についても、従業員に周知する必要があります。具体的には、常時各作業場の見やすい場所に掲示・備え付ける、書面を労働者に交付する、電子データとして労働者がいつでも確認できる状態にする、といった方法で周知する必要があります。
外国人従業員に対しては、手数料の金額や社内の負担ルールについて、本人が十分に理解できる方法で丁寧に説明することが、認識の相違を防ぎ、信頼関係を維持するうえで重要です。必要に応じて多言語の案内文書を作成したり、個別に説明する機会を設けたりすることも有効です。
特に在留期間の満了が近い従業員には、新旧の手数料や申請スケジュールについて個別に案内し、申請可能な時期を確認したうえで、必要に応じて手続きをサポートすることも重要です。
改定内容や社内の負担ルールをわかりやすく伝えることは、必要な手続きを円滑に進めるだけでなく、外国人従業員が安心して働ける環境づくりにもつながります。
まとめ
2026年10月1日から、在留手続きの手数料が大幅に引き上げられます。在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の手数料は、窓口申請の場合、現行の6,000円から最大75,000円へ、永住許可申請は10,000円から200,000円へと引き上げられます。
新制度では、許可される在留期間の区分に応じて手数料が設定される段階制へ移行します。オンライン申請を利用できる場合は、許可される在留期間によって、窓口申請より手数料を抑えることが可能です。
企業が手数料を負担する場合、更新対象者の人数や更新回数などによって総負担額が増える可能性があります。そのため、外国人従業員の在留期限を一覧化して管理するとともに、必要に応じて予算を見直すことが重要です。
また、2026年9月30日までに申請した場合は、現行の手数料が適用されます。在留期間の満了日が近い従業員については、申請可能な時期を確認したうえで、余裕を持って申請スケジュールを検討しましょう。
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